清友監査法人 SEIYU AUDIT CORP.

COLUMNコラム

3月決算について

すっかり春らしくなってきた今日この頃ですが、皆様はお元気でお過ごしでしょうか。

春といえば、桜ですね。
清友監査法人のある京都市内でも、そのシーズンを迎えつつあります。

京都市内で桜を満喫できるスポットとしては、円山公園のしだれ桜、哲学の道の染井吉野のトンネル、平野神社のサトザクラ、平安神宮神苑内のベニシダレザクラ、仁和寺の御室桜などが有名です。
どの桜もそれぞれ趣があって、楽しめる時期が少しずつ違いますから、各地にお出かけになって見比べることもオススメです。

さて、今回は決算について述べてみたいと思います。
決算とは、会社が一定期間(主に一年間)において営業活動を行った結果の収支を計算して利益(もしくは損失)を算出し、決算日現在の会社の財産の状況を確定する作業をいいます。決算日は、学校法人や社会福祉法人のように3月31日と法律で決められている場合もあれば、株式会社のように自ら決められる場合もあります。

この決算において、会社は自らの成績表たる、決算書(財務諸表もしくは計算書類)を作成し、株主、債権者、取引先等ステークホルダーにその内容を明らかにすることが求められます。そして、一定の規模の会社は、決算書について第三者的立場から合理的に正しい数値であるか検証すること、すなわち会計監査を受けなければならないとされており、会計監査は我々会計士(監査法人)の独占業務となっています。

上場会社のうち6割程度の会社が3月決算の会社との情報もあり、非上場会社でも3月決算の会社は少なくありません。また、上述の通り学校法人や社会福祉法人も3月決算です。そのため会計士も、少し遅れて4月中旬から5月下旬くらいまで複数の3月決算の監査業務に関わることとなり、繁忙期を迎えることが多いです。

決算において、会計士たる監査人が行う監査の手続について、特徴的なものを紹介しますと…

〇 実査
期末日等に現金、有価証券等を実際に数えたり、有形固定資産について実際に自分の目で確かめたりする等して、会社の帳簿に計上されている資産が実際に存在するか否かを確かめる手続です(資産の実在性の検証といいます)。また会社の金庫なども拝見し、監査人の把握していない資産がないかどうかの確認も実施します。

〇 立会
会社の棚卸資産等の存否(実在性)を確かめるため、会社の担当者の実地棚卸の様子を監査人が直接を観察したり、一部の資産について監査人自身が数量を数えたりする手続です。また数量だけでなく、陳腐化や長期間の滞留により資産としての価値が毀損しているような在庫がないかも併せて確認します。
実地棚卸とは、期末日等に会社が一斉に会社の在庫(商品、仕掛品等)の現物の数量をカウントし、在庫の在り高を確定させる手続のことをいいます。

〇 確認
監査人が会社の有する期末日現在の預金残高、売掛金もしくは買掛金残高が実際に存在するか(実在性)、計上すべき資産、負債や取引等が漏れなく計上されているか(網羅性)を確かめるために、相手先の金融機関や会社の取引先から、文書の回答(残高確認書)を監査人が直接郵便等で入手する監査手続です。

3月決算の会社の場合、実査や立会は3月末や4月初めに行われることが多いです。

桜の便りと共に、全国各地の3月決算会社で、全国の会計士が一斉に実査や立会をしている姿が想像できます。

清友監査法人 林博史